報知新聞 元気が出るマウスピース

マウスピースに関する1986年4月22日報知新聞の記事「 元気が出るマウスピース」紹介

奥歯にフィット
アメフト選手でテスト 野球にも使える

マウスピースはもともと歯の保護や脳への障害防止のために使用される。
タックルなど身体接触の激しいアメリカンフットボールでは、特に脳へのダメージは危険度が高く、着用が一部ルール化されているところもあるほど。
例えば脳震盪などの場合、アゴから伝わって脳に衝撃を与える。
しかし、このアゴ関節部分にわずかな隙間を作ることで衝撃はかなり吸収される。
肝心なのは「どれだけの隙間を作るかで、それには個人差がある」と松田さん。
”ショックアブソーバー”となる隙間は、上下歯の噛み合わせで決まるため、マウスピースのサイズが大切になってくるわけだ。
松田さんは関学の現役時代に首相を務め、名タックルとして甲子園ボウル5連覇(48年ー52年)の黄金時代の一翼を担った。
自らの経験から「サイズが大きかったりジャストフィットしないものが多かった」と規制のマウスピースに不満を抱いていた。
51年に関学法学部を卒業後、岐阜歯科大に入り、さらに阪大歯学部へ進んだ松田さんは、選手たちの要望もあって、歯学医の立場からマウスピースの研究開発に取り組むようになった。
研究を進めていくうちにわかったのは、事故防止の他にマウスピースの筋力強化という隠れた効果の発見だった。
「マウスピースとアゴ関節の位置によってパワーを増したりできるそうで、米国などで研究が進んでいると聞いている」という。
さらに研究しないとはっきりとした効果は数字に出せないが「一番力の出るポイントが必ずあるはずだ」と松田さんは確信している。
確かに力を込める時、人間は歯を食いしばる。
巨人・王監督など現役時代には奥歯がボロボロになったという。
力のかかる部分にさらに力が加えられる ようにすればパワーアップもうなずける。
すでに松田製のオーダーメイドのマウスピースを使用している関学選手のアンケートでも「力がついたように思う」「気合が入るようになった」の答えが多かった。
松田さんは学会へのテーマとして研究を進めているが、理論的に実証されればスポーツ界にセンセーションを巻き起こしそうだ。

歯にいいらしいネ
巨人・加藤英司内野手
「近鉄時代(昨年まで)使っていた。パワーが出るということだったし、歯並びの矯正にいいと言うことらしいね。バッティングでは瞬間的に大きな力が加わるので、歯にとてもいい。今も持っているが、なにせ(出番が少なく)使う機会がないんや」

巨人の加藤ひでもすでに使用
アメリカンフットボール以外にもプロボクシングの WBC世界ジュニアバンタム級チャンピオン、渡辺二郎、日本ジュニアフェザー級チャンピオン、六車卓也(いつでも大阪帝拳)、プロ野球の加藤英二(巨人)らが松田さん特製のマウスピースを使用している。
プロゴルファーの入江勉にも勧めたそうだが「ゴルフでは力が入りすぎるとよくない」と断られたそうだ。
マウスピースの着用は NCAA(全米大学体協)ではルール化され義務付けされている。
日本では関東の大学リーグですでに強制的に着用することになっているが、関西ではまだ。
関西アメリカンフットボール協会・古川明専務理事は「現在は勧告段階で、出来ればつけなさいと言う程度で、来年秋をめどにルール化を進めている」と事故防止のために着用を義務化を急いでいる。

市販されているマウスピースは米国製が主。
ビニールが素材で、熱などで変形可能なマウスフォームタイプと加工できないストックトレータイプの2種類があり、1個1000円前後だが、フィット感はいまいち。
松田製は入れ歯を作る要領で、一個ずつ歯型を取って最適もかみ合わせを 見つけて作るオーダーメイドのため、1万円前後。
マウスピースに歯形がついているのが特徴。

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